コールセンターは、過酷な職場です。お客さんから怒鳴られたり、罵声を浴びせられることは日常茶飯事。


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日々怒鳴られるオペレーター
私は10年に渡ってコールセンターでの管理職を務めていました。


コールセンターは、過酷な職場です。お客さんから怒鳴られたり、罵声を浴びせられることは日常茶飯事。

自分の母親と同じ年齢くらいのオペレータさんが、何の社会経験も積んでいないようなガキから、

「おめえは馬鹿かって聞いてんだよ!?答えろよ!?」

とまくし立てられるのです。まあ、初めてその現場を見た人は確実にショックを受けるでしょう。


ベテランオペレータでもちゃんとフォローしてあげないと、精神的にやられてしまいます。ましてや若い新人の女の子なんかはがちがち震えだして過呼吸になったり、上司に代わった後、ブースの隅で泣いてたりするのです。

○○カスタマーセンターの電話の向こうでは、機械ではなく人間が対応しています。

毅然と振舞っていても実はこんな光景が繰り広げられています。


こと、クレーム応対に関しては個人的に思う事が多々あるので、何度かこのブログでも取り上げたい。



相手から離れるほど攻撃性は高まる

電話でのクレームは、相手が攻撃的になりやすく炎上しやすいです。


これは、相手の顔が見えないことによって、心理上攻撃性が高まるためです。


①対面 ②電話 ③メール


上記の3つの手段において、相手へ攻撃行為(罵倒する、傷つける)をする場合、①→②→③の順で、心理的ハードルが低くなっていきます。メールではとことん罵倒できても、いざ面と向かうとやりにくいという事です。
相手からの距離が遠いほど、ためらいなく攻撃してしまうということです。これは心理学の実験で検証されています。


電話でのクレームにおいては、相手の顔が見えない分、どんどんヒートアップし怒鳴り散らし、聞く耳を持てないという興奮状態になるお客さんが非常に多いです。



こうなると、そのクレームが企業にとってプラスになる良いものなのか、悪質で企業を疲弊させるだけのものなのか、判断がつきにくくなってくる。



結果、落ち着かせようと必死になって「申し訳ございません」を繰り返し、ますます相手がヒートアップする最悪の展開になります。




教科書通りに「謝る」事で、企業のリスクは増えていく

まず大原則として、「悪質クレーム」は撃退しなければならないし、企業の糧となる「良いクレーム」であれば誠意を持って対応すべきです。


この二つのいずれなのかが見極めにくく、二つの要素が、複雑に絡み合っている場合がある。



クレームが良いものか悪質なものなのかは、経験を積むとおよそ開始から10分も話していればどちら寄りか分かります。


その10分間がキモなのです。クレーム対応は、初期動作によって解決できるかどうか大きく左右されると思ってください。



初期動作で避けるべき行動が、「安易な謝罪」です。

以下の例を見てください。


「どうしてくれんだよ!!ああ?! お前、今すぐ家に菓子折り持って来てわびろや!! ふざけた商売してんじゃねえよ!!ああ?」


「申し訳ございません・・・」


「申し訳ございませんじゃねえんだよ!!口先だけで謝ればいいと思ってんのか?」


「そういうつつもりではございません、申し訳ございません。」


「てめえん所は詐欺会社だろっつってんだよ!!答えろや!!」


「おっしゃる通りです、大変申しわけございません」


「おめえさっきから申し訳ございませんばかり言いやがって機械かよ!?あ!?」


「大変申し訳ございません」


「おい。なあ、おめえらはフザケた商売やってんだろって言ってんだよ。」


「大変申し訳ございませんでした・・・」


実際に経験のない人がこんな客を相手にすると頭が真っ白になって、まずこんな対応しかできません。
謝るとますますヒートアップし、無理な要求を突きつけてきます。


でもあなたの会社は詐欺をした訳でもふざけて商売をしたわけでもありません。
あなたは「企業の窓口として対応している」という事を忘れないください。企業の窓口がお詫びすることは、社長がお詫びすることと一緒なのです。



それと同時に、相手はあなた個人へクレームをつけているのではありません。企業・サービス対して怒っているのです。必要以上に個人として責任を感じたり、怖気づいたりしないようにしましょう。
どこか、第三者目線的な感覚で臨む事で、気持ちへの余裕も生まれます。


相手の気持ちを静めたいあまりに、まずは謝るべき というのはNG。
「申し訳ございません」という言葉は、反射的に「ほら、自分が正しいじゃないか」という心理にさせてしまいます。まさに火に注ぐガソリンのようなものです。

さらに付け込まれますよ。「お前、さっき非を認めじゃないか。上司連れて直接来い」となっちゃう。



クレーム対応の本にも、優良事例として「まずはご不快にさせたことに対してお詫びする」などと書かれていますが、本当に経験者が書いた本なのか疑います。お詫びの言葉を述べ、相手が落ち着いてきたら解決に向けてうんたらかんたら・・・ 


「まずはお詫び」 のリスク
「不快にさせたことについてまず謝る」と言う理屈についてですが、「まずはお詫び」というのは、言い換えれば「真相は分からないけどとりあえず口では最初に謝っておく」と言う態度の現れであり、相手は敏感にそれを見抜きます。


いざ現場でこの通りに対応したら、いかにこれが「理想論」か身にしみるでしょう。


こういった理想論は、先述の良いクレーム・悪いクレームのうち、良いクレームであることを前提に書かれているものが多いからです。




しかし、クレームは良いものだけではなく、企業や担当者を疲弊させるだけの悪質なものもあることを覚えておいてください。


お客様は「神様」という理論をかざして、付け込んで来る悪質クレーマーは、企業として毅然と撃退すべきです。
対応方法が分からないままに、どれほど泣き寝入りしている担当者や企業が多いことでしょう。


しかし、しかるべき検証の上、明らかにこちらに非がありご迷惑をかけた部分に関しては、正式に企業として謝罪をしなければなりません。これは後からでも良いのです。


要は、コトの検証もせずに、中途半端にお詫びを繰り返すのは誠意がないですし、悪質の場合さらに炎上させてしまうということです。



それでは、最初の10分間にこちらがすべきことについては次回のブログにてテクニックを紹介したいと思います。